作曲:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ピアノ:ルドルフ・ゼルキン
指揮:クラウディオ・アバド
管弦楽:ロンドン交響楽団
映画「アマデウス」の中でも効果的に使われていた曲ですし、一度聴いたら忘れられないほどの超魅力的な曲です。モーツァルトの作品で短調系の音楽は、ひときわ美しい、美しすぎる。この曲もまさにその中で突き抜けた存在ではないかと思います。この曲は1785年2月10日に完成し、その翌日ウィーン市の集会所「メールグルーベ」で初演されました。
冒頭、シンコペーションのリズムに乗って弦楽器で演奏される憂いを秘めた、下行、上行と揺れ動く不安な雰囲気を漂わせたメロディーで始まります。低音ではアウフタクトから装飾音のような上行する音型が演奏されその気分を増長させます。その後、激しいトゥッティとなり一転オーボエとファゴットによる雲の切れ目から鈍い光がさすようなメロディーへと続きます。
その後、ピアノのソロが静かに始まります。オクターブに跳躍して下行する音型は冒頭のメロディーが変化しています。楽譜を見ると至極単純ですが、実際に弾くとなると別問題で、かなり難しいですね。
第二楽章ロマンツェは前述した「アマデウス」のエンドロールで演奏されていました。変ロ長調の三部形式で中間部はト短調の激しいエピソードが置かれています。非常に美しい曲で、幸せが身体全体に染み渡る感じの曲です。
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