交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」

管弦楽

作曲:ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

指揮:ブルーノ・ワルター

管弦楽:コロンビア交響楽団

交響曲第6番「田園」は、1808年に完成した古典派音楽の傑作のひとつです。演奏時間は約39分で、この時代の交響曲としては異例の5楽章構成となっています。第3楽章から第5楽章は連続して演奏され、各楽章には描写的な標題が付けられています。(下記の標題を参照してください)

徹底した動機展開による統一的な楽曲構成法という点で、前作の交響曲第5番「運命」(作品67)とともにベートーヴェン作品のひとつの究極をなす
交響曲第9番と並ぶ独自の外形的特徴を持つベートーヴェン作品の頂点の一つとされています。

「田園」という標題、田舎暮らしの私にとってみれば身近な存在、生活風景そのものです。4月から5月にかけて田んぼの作業が始まります、今まで乾いていた田んぼに水が張られ苗が植えられ初夏の景色となっていきます。鳥の声ならぬ、カエルの声が夜になると更に大きく鳴り響き大合唱が始まります。

この曲は全部で5楽章ありまして、それぞれに標題が付いています。

第一楽章 「田舎に着いた時の愉快な感情の目覚め」

第二楽章 「小川のほとりの情景」

第三楽章 「田舎の人々の楽しい集い」

第四楽章 「雷雨、嵐」

第五楽章 「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」

この第6番と第5番の俗に運命と呼ばれる作品は同時期に書かれています。まったく違う感じの曲が同時期に書かれたことに驚きますね。初演ではこの田園が第5番として、運命が第6番として演奏されたようです。

名曲ですのであまたの名演奏がありますが、私のオススメはこのワルター指揮のコロンビア交響楽団の演奏です。現代人にとってこの演奏のテンポは遅めですが、土台のしっかりした大きな大地を思わせます。「雷雨、嵐」は単なる恐怖の自然現象ではなく、大地に恵をもたらすような感じを心に刻みつけます。

恵の雨により、最終楽章の感謝の気持ちがより一層濃いものになっていると思います。

速いテンポの演奏も好きですが、じっくり自然を感じながら聴きたい時にはこの演奏が私には一番しっくりくるのです。

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