歌劇「泥棒かささぎ」序曲

声楽・オペラ

作曲:ジョアッキーノ・ロッシーニ

指揮:クラウディオ・アバド

管弦楽:ヨーロッパ室内管弦楽団

ロッシーニ作曲の歌劇「泥棒かささぎ」は、1817年5月31日にミラノのスカラ座で初演された、セミセリア(悲劇的要素と喜劇的要素が混在しているのが特徴)オペラの傑作。原作は、フランスの女中が盗みの罪で処刑されたものの、後に真犯人がかささぎだったことが判明したという実話に基づいています。

この作品は、ロッシーニが喜歌劇から真面目なオペラへと移行する過渡期の作品で、喜劇的要素と悲劇的要素が巧みに融合されているのが特徴です。台本はジョヴァンニ・ゲラルディーニが手がけました。[

わずか三ヶ月で曲を書き終え、初演は大成功を収め、その後もヨーロッパ各地で上演されました。

面白いエピソードとしては、ロッシーニがこのオペラを書くにあたり、洗濯物のリストでも音楽にできると豪語したという逸話が残っています。 また序曲では、ロッシーニお得意の「ロッシーニ・クレッシェンド」が2度も使われ、聴衆を圧倒したと言われています。

おすすめの演奏としては、指揮者アルベルト・ゼッダによる1978年のイタリア・フォニット・チェトラ盤や、2009年のロッシーニ・イン・ヴィルトバート音楽祭でのライブ録音盤などが名演として知られています。[7]

「泥棒かささぎ」は、喜劇と悲劇、軽妙さと感動が同居する、ロッシーニならではの魅力に溢れた作品です。序曲は単独でもよく演奏され、オペラファンのみならず広く親しまれています。ロッシーニの代表作の一つとして、ぜひ一度は鑑賞したい歌劇と言えますが、現在ではほとんど上演されることはないですね。

あらすじ

イタリアの田舎町で、兵役から戻ったジャンネットを祝う家族の元に、逃亡中の父フェルナンドがニネッタ(ジャンネットの恋人)に姿を現す。フ

ェルナンドは軍の裁判で死刑を宣告され脱走したが、食器を換金するため盗んでしまった疑いをかけられる。代官はニネッタを逮捕するが、実はカササギが食器を盗んでいた。

牢獄に入れられたニネッタを、ジャンネットは信じ、フェルナンドは真相を明かそうとする。裁判で死刑が言い渡されるが、フェルナンドの友人が国王の恩赦状を取り付ける。

一方、ピッポがカササギの隠し場所を発見し、ニネッタの無実が証明された。ニネッタとフェルナンドは許され、ジャンネットとニネッタが抱き合う喜びの幕引きとなった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました